平成23年度農商工等連携対策支援事業

私たちは、経済産業省東北経済産業局より平成23年度農商工等連携対策支援事業(新事業活動促進支援補助金)の認定を受け、再生可能エネルギーを使用した緊急時電源プロジェクト(FEPP)をスタートしました。

先進地視察

太陽光発電をはじめ、再生可能エネルギーの先進的な取り組みをしている事例を研究するためドイツの自然エネルギーで電力を生み出し産業としている村、及び製造メーカーを視察、現状把握し、システム開発に活かすため、先進地視察としてドイツのフライアムトへ行ってきた。
ソーラー発電など大規模なものを想像していたが、思っていたよりも遥かに規模は小さかったが、近代エネルギーというよりも、昔からある水力なども含め、様々なエネルギーをうまく組み合わせて活用し、トータルで質の高い生活を行っていた。エネルギーを自分たちで生み出しているということに、大変感心させられた。

複数の発電様式を組み合わせることで、電力の自給自足・地産地消のサイクルを実現していた。

●バイオガス発電設備 2012年6月19日

ラインボルト氏は、2000年頃までは牛・豚を飼育し出荷する畜産農家であったが、BSE問題で牛肉の価格が下落したことにより、それまで約80haの農地で栽培していた家畜の飼料用の牧草とトウモロコシを発酵利用し、バイオガスを発生させてこれを燃焼させて発電機を回し、発電した電気を電力会社に売電する事業に転換した。発電機の出力は150kWで2基稼動している。又、発電時に発生する熱で水を温め、地下に設けたパイプを通して近隣の学校や家庭に温水を供給している。更に、バイオガスを得る際に、近隣の家畜を飼育している農家より家畜の糞尿を提供してもらい、ガスを取り出した後の残留物は乾燥させて、牧草地への良質な肥料として還元している。現在では、家畜を一頭も飼っていないので酪農家とは言えないが、元々行っていた牧草地での牧草・トウモロコシの生育・刈取り作業をそのまま活かし、新たな収益事業に転換していることで新たな農業の形態「発電農業」とも言える。尚、この設備への投資額は約9千万円で、電力会社への売電額は20年で約3億2千万円が予定されている。

発酵製粉

●小水力発電設備 2012年6月20日

メラート氏は、200年以上の歴史のあるこの村のパン屋さん。本々、この場所で水車を使って小麦粉をひいていた歴史がある。1955年にタービンを設置し、3相の動力電源、及び自宅兼お店の電灯(単相)の電気を発電するようになった。2本の小川の水位差(4.8m)を利用し、最大水量380ℓ/秒で発電機の最大出力は13kW。季節により川の水量が変化するため、常に一定の出力ではないが、年間の平均は約6kW。不足の電力については、購入している。それぞれの川は、本当に小川という感じで、川幅は3m弱、水深もそれほど深いわけでない。但し、これらの水を利用するには「水利権」を持っていないと出来ない。発電機は、古いモーターを利用している。日本の発電機械に比べれば、技術的、効率的な点ではかなり低いが、少しでも利用できるのであればゼロよりは、はるかにましである。

水力発電機水路出口水路入り口

●陽光発電設備、木質チップボイラー、牛乳熱交換給湯システム 2012年6月21日

シュナイダー氏は、乳牛を飼育する酪農家である。自宅の屋根と牛舎の屋根に、約30kWの太陽光パネルを設置し、年間30000kWを発電し49¢/kWhで売電している。また、風力発電の自主建設グループのメンバーで、1基の風力発電の用地を提供し、借地料をもらっている。また所有する森林から出る廃材木から薪を作って、床下にある高効率の木質チップボイラーで、自宅の冬場の暖房に利用している。更には、牛の乳の熱(搾ったばかりは38度)を冷ます(出荷時は4度)冷却廃熱を利用して、水を温水にする熱交換機を導入して、生活用温水に利用している。エネルギー利用の点で、大変無駄のない利用をされている。今後、EUの共通農業政策改革により、農業経営環境がますます厳しくなっていくと予想されることから、現在これら再生可能エネルギーに投資をするのは、将来の年金としての役割(収入源)と、燃料代などの出費を抑える為である、と言われていた。

太陽光パネルシュナイダーチップボイラー牛乳熱交換原料

●風力発電設備 2012年6月22日

レイマー氏を含め7人の有志が発起人となり、「村民ファンド」を作り牧草地である丘陵で3年間風力調査を行い場所を選定し、2001年に2基の風車(塔の高さ85m、回転翼の直径70m、出力1.8MW)を建設した。建設コストは1基当たり約230万ユーロで、このうち1/3を市民からの出資金、2/3を銀行からの借入れ金で賄った。この風車は、2m/秒の風で発電し、台風などの強風時には風の抵抗を失くすよう羽の向きを変えて、運転を停止する。2000年に制定されたドイツの「再生可能エネルギー法」の固定買取価格保証は20年。20年間の配当総額は出資金の330%になる予定である。

現在、フライアムト村内に4基の風車が稼動しており、総出力は7.4MWである。

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